患者さんへのお願い~後発医薬品使用推進と供給不足への対応~
厚生労働省の後発医薬品使用促進の方針に従って、当院でも後発医薬品の使用を積極的に取り組んでいます。後発医薬品の採用に当たっては、品質確保・安全性に関する十分な情報提供・安定供給等、当院の定める条件を満たし、有効かつ安全な製品を採用しております。また、現在全国的に感染症の蔓延や医薬品メーカーの不備等により医薬品供給が低下しております。当院では、採用薬品が安定供給されない場合に、医薬品の変更などに関して、適切な対応ができる体制を整備しております
なお、状況によっては処方内容に変更が生じる場合がございます。変更にあたって、ご不明な点やご心配な事などございましたら、医師・薬剤師までご相談ください。
後発医薬品への変更についてご理解ご協力をお願いいたします。
令和6年4月
盛岡赤十字病院 病院長
外来通院される患者さんへ
院外処方せんについて
現在、厚生労働省では医薬分業を薦めており、既に多くの病院で院外処方せんへの移行が進んでおります。
当院でも、全ての患者さんに対して原則院外処方せんを発行しております。
院外処方せんとは
調剤されたお薬を病院で受け取るのではなく、かかりつけ薬局(保険薬局)で受け取るための処方せんのことです。
かかりつけ薬局(保険薬局)とは
院外処方せんをもらった場合、保険薬局を自由に選ぶことができます。
薬の使い方や疑問に答え、普段から相談できるのがかかりつけ薬局です。
自宅や勤務先など、ぜひお近くでお探しください。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)と一般名処方について
当院では、医薬品の効果・安全性および患者さんの負担を検討して、後発医薬品を積極的に採用しています。
また、一部のお薬について先発品やジェネリック医薬品(後発医薬品)を患者さんに選んでいただくことができるよう、一般名で処方(一般名処方)しています。
後発医薬品への切り替え、お薬の金額など、詳しくはかかりつけ薬局の薬剤師にご相談ください。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発品の特許がきれた後に製造・販売される医薬品です。
先発品と同じ有効成分を同じ量含んでおり、効果や安全性も同等であることが認められています。
また、より飲みやすくするために形や味に工夫が施されているものもあります。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)のお薬の金額は先発品の6~7割程度となっており、患者さんの負担が減ることも利点のひとつとして挙げられます。
一般名処方とは
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の特徴として、1つの成分に対していろいろな銘柄のお薬が製造・販売されているという点が挙げられます。
一般名処方とは製薬会社ごとの銘柄を指定するのではなく、成分の一般名が処方せんに記載された処方せんのことを言います。
これにより、有効成分が同一である医薬品が複数(先発品やジェネリック医薬品)ある場合も、薬剤師と相談のうえ患者さん自身がお薬を選ぶことができます。
ポリファーマシー(多剤併用)とは
ポリファーマシーとは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、内服数が多い事により服薬過誤、 アドヒアランスの低下、薬物有害事象のリスク増加等の問題につながる状態の事と言われています。実際に何剤からをポリファーマシーとするかに ついて厳密な定義はなく、患者さまの病態、 生活環境により適正処方も変化します。
現在、日本では高齢者の約半数がポリファーマシーの状態といわれています。
なぜ、高齢者では副作用が起こりやすいの?
高齢になると、複数の病気を持つ人が増えてきます。病気の数が増え、受診する医療機関が複数になることもくすりが増える原因となります。
また高齢になると、肝臓や腎臓の働きが弱くなり、くすりを分解したり、体の外に排泄したりするのに時間がかかるようになります。
そのため、くすりが効きすぎてしまったり、効かなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
「なにか変だな」「いつもと違う」と感じたら?
くすりを飲んでいて、食欲低下、便秘、おしっこが出にくい、眠気、ふらつき、物忘れなどの症状が気になることはありませんか?
くすりが追加されたり、変わったりした後は、特に注意しましょう。
気になる症状があっても、勝手にくすりをやめたり、減らしたりするのはよくありません。くすりが多いからといって必ず減らすべきということではありません。
くすりによっては、急にやめると病状が悪化したり、思わぬ副作用が出ることがあります。
必ず、医師や薬剤師に相談しましょう
相談する時はどうすればいいの?
使っているくすりは、必ず全部伝えましょう。くすり以外で毎日飲んでいる健康食品やサプリメントがある場合は、その情報も伝えましょう。
気になる症状については、いつ頃から、どのような症状が出てきたのか、メモしておきましょう。
日頃から、かかりつけの医師や薬剤師を持って、処方されているくすりの情報を把握してもらっておくのが安心です。
自分の処方されているくすりがわかるように、お薬手帳を持ちましょう。お薬手帳は1冊にまとめておきましょう。
バイオ後続品 ( バイオシミラー )とは
バイオ医薬品でも、ジェネリック医薬品のような位置付けの薬剤があり、バイオ後続品 ( バイオシミラー ) と呼ばれています。
先行バイオ医薬品 ( 新薬 ) を開発した会社の特許期間が満了した後に、他の会社が先行バイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性、有効性をもつ医薬品として製造・販売します。
バイオシミラーは、先行バイオ医薬品より薬の価格が安く、薬剤費の負担*が軽減されることがメリットです。
*薬剤費負担額などは薬剤の使用量や患者さんの年齢などにより異なり、バイオシミラーで負担が軽減されない場合もあります。
入院される患者さんへ
入院中に安全に治療を行うために、普段服用しているお薬の内容を薬剤師が確認いたします。
お持ちいただくもの
現在使用中のお薬
- 当院のお薬(入院される診療科のお薬、その他の診療科のお薬)
- 他の病院のお薬
※ お薬だけ持参するのではなく、薬袋と一緒にお持ちください。
※ 現在使用していないお薬は、家に置いてきてください。
お薬手帳
お薬説明書
以上が必要です、ご入院の際には忘れずにお持ちください。